ベランダ菜園初心者
これから小松菜をプランター栽培したいけど手順がわからない。
小松菜をプランターで栽培したけど、うまくいかないのはどうして?
小松菜をプランターで美味しく栽培する方法は?
このような疑問にプロの農家が、ネットには出ていない農家の知識も添えて徹底解説します。
「小松菜は初心者でも簡単に栽培できる」と見かけますが、プランター栽培の経験が少ない方で、失敗した方も多いのではないでしょうか?この記事では小松菜のプランター栽培をこれから始める方と、今まで小松菜の栽培に失敗した方向けに、おすすめの栽培方法を徹底解説しています。
【なぜ?】簡単と言われる小松菜のプランター栽培に失敗するの?
小松菜はプランター栽培が簡単で初心者向けと謳われていますが、本当に簡単なのでしょうか?
種を播いてから30日で収穫できるのは魅力的ですが、プロの農家の意見としては、収穫までの期間が短い野菜は1度のミスが命取りになります。
例えば、僕が商品として出荷しているキャベツですが、播種後90日くらいで出荷できる、比較的栽培期間が短い野菜です。
キャベツは播種後40日くらいで生育不良が出ると出荷できない可能性が出てきます。
逆に長ネギは播種後300日くらいで出荷になりますが、播種後40日に出た生育不良は余裕で修正できます。
つまり、栽培期間が短い野菜は、場合によって1つのミスで収穫できないとういう事です。
小松菜ってどんな野菜?
小松菜は江戸時代に8代将軍徳川吉宗が鷹狩りに現東京都小松川を訪れた際、昼食で出されたすまし汁に入った冬菜を気に入り、小松川の地名を取って小松菜と命名されたと言われています。
基本情報
和名 コマツナ
原産地 中国/日本
分類 アブラナ科アブラナ属
発芽地温 20℃〜30℃
生育適温 15℃〜20℃
日照特性 反陰性植物
栄養素 カロテン、ビタミンC、鉄分、カルシウムが豊富
【初心者必見!】小松菜の簡単なプランター栽培方法
小松菜は栽培方法次第で1年中栽培できる野菜で、初心者でも比較的簡単に栽培できると言われています。
また、種を播いてから最短で30日程で収穫できるコスパの良い野菜とも言われています。
プランター栽培にも向いているので、この項目では、初心者でも簡単にできる失敗しないプランター栽培の方法を解説します。
既に小松菜をプランター栽培した経験があり、うまくいかなかったからこの記事を読んでるという方は、注意点だけ読めば失敗の原因がわかると思います。
これからベランダ菜園を始めるという方は、事前準備に関する記事をチェックして失敗するリスクを減らそう↓↓
プランター
プランター選びのポイントはサイズです。
小松菜をプランター栽培する際に使うプランターはレリーフプランター650かベジタブルプランター浅型600がおすすめ。
具体的なサイズは縦20㎝×幅65㎝×深さ15㎝〜20㎝くらいが目安です。
春から夏にかけて栽培する場合には防虫ネット、冬に栽培する場合は寒冷紗が必要になる為、ネットをかける際に使う支柱がさせるプランターを選ぶと、より育てやすいです。
支柱をさせる穴が無いプランターでも、土に支柱をさしてその上からネットをかける方法もあるので、手間がかけられるのであれば、通常のプランターで問題ありません。
土
市販されている野菜用の培養土で十分に育ちます。自身で土の配合を行っても大丈夫ですが、初心者のうちは難しいので野菜用の培養土を使う方が簡単です。
もし、自身で用土の配合を行う場合は、赤玉土小粒7割、腐葉土2割、バーミキュライト1割で配合してください。
プランターに土を入れる前にプランターをよく洗い、鉢底石をプランターの底が見えなくなるくらい敷き詰めます。
ゴールデン粒状培養土は通常の土よりも保水性、排水性、通気性が優れている為、この土を使えば鉢底石を敷き詰める必要がありません。
土はプランターの淵から2㎝くらい下になるように土を入れてください。
上記のプランターサイズであれば、土の量は約20ℓくらいになるはずです。
お使いになるプランターサイズに合わせて土の量は変わります。
土の購入はネットをおすすめします。
なぜなら、土は重いので運ぶのが大変です。特に女性の方でマンション住まいの場合は、ネットで購入するか男性に手伝ってもらえるようにしておきましょう。
これからベランダ菜園を始めるという方には便利なプランター栽培キットも販売されています。
プランター×2
野菜用の培養土20ℓ
種2種類
この栽培キットの内容であれば、すぐにベランダ菜園を始める事ができます。
自分でホームセンターに行って多彩なデザインやサイズから自分に合ったものを選ぶのは楽しいですが、買ったものを家に運び込むのは正直しんどいです。
なので、力に自信がない女性の方やめんどくさがり屋さんにはプランター栽培キットがおすすめです!
種まき
種は条播きです。プランターの端から端に深さ1㎝くらいの溝を指で2条掘って下さい。条と条の間隔は15㎝が目安です。
掘った2本の条に種を5㎜間隔で落としてください。小松菜の種はとても小さく、正確に5㎜感覚で播くのは難しいので、神経質になることはありません。
種を播いたらその上に土を被せますが、土を寄せるのではなく、新しく種の上に培養土をかけてください。土を新しくかける事で、後々、株元の水はけが良くなり、根腐れなどの病気予防になります。
種の種類は沢山あるので選ぶのが難しいと思いますが、失敗しない為には、種のパッケージに「病気に強い」など、育てさすさについて書かれているものにしましょう。
小松菜は栽培方法によっては1年中栽培できますが、初心者の方は春か秋に撒く事が賢明です。
小松菜は栽培方法によっては1年中栽培できますが、初心者の方は春か秋に撒く事が賢明です。
気温が30℃を超えるような真夏は育たない訳ではないですが、小松菜の生育に適した環境とは言えません。
また、冬も寒すぎるので生育がストップして収穫に遅れが出ます。
なので、気温が15℃を下回らなくなった春(4月〜5月)か、気温が20℃を下回るようになった秋(9月〜10月)が、小松菜を失敗しないで育てられる時期と言えます。
週間天気予報で1週間先の気温をチェックして下さい。うまくいけば30日で収穫できます。
土を被せた後はたっぷり水をあげて下さい。
たっぷりというのはプランターの底から水が滲み出る程度です。発芽するまで毎日行って、常に土が湿っている状態にして下さい。土が乾いていると発芽しません。
また、最初に発芽が確認できてから3日間くらい水やりを行いましょう。
種にも個人差のようなものがあり、せっかちに芽を出す種もいれば、のんびりしている種もいるので、出揃うまで水をあげて下さい。
種を播いてから1週間程で出揃うはずです。
注意点
重要なのでもう1度書きます。小松菜は種の裏表紙にもネット上にも1年中栽培できると書いてありますが、小松菜の生育適温ではない時期に栽培するのはとても難しいです。
僕も年に2〜3回くらい小松菜を栽培して出荷していますが、真夏と真冬は作っていません。真夏と真冬に作らない理由は手間もかかるし難しいから費用対効果が合わないからです。また、発芽地温を守らないで種を撒くと発芽率が著しく落ちます。小松菜は密集させて栽培する事で、見慣れた形と味の小松菜になるので、発芽率が悪いと致命的です。2020年3月に発芽率が悪かった事により規格内の小松菜ができず、約5,000粒の小松菜を無駄にしました。
つまり、農家ですら発芽地温に気をつけないと失敗する訳ですから、初心者でも簡単に育てられる小松菜のプランター栽培というのは、発芽地温の20℃〜30℃と生育適温15℃〜20℃を守る必要があるという事です。
間引き
双葉が展開して本葉が出始めたタイミングで1回目の間引きをします。
間引きとは、混み合った芽を適度な感覚に揃える為に、必要ない目を引き抜く事です。
混み合った目を株間3㎝を目安に間引いてください。密集し過ぎているところは引き抜くと、根が絡み合って残すべき芽も一緒に抜けてしまう事があるので、ハサミで根元から切ってあげると安全です。
そして、本葉が2枚〜3枚になったら2回目の間引きを行います。2回目の間引きでは株間を5㎝くらいにしてください。
注意点
2回目の間引きをする時に、丈夫に育てたいからといって株間を広げすぎると、葉が上ではなく横に展開してしまい小松菜らしい形と味を失う恐れがあります。
小松菜は5㎝間隔くらいに密集させる事で葉が混み合い、各株が日光に当たるべく、上へ上へと伸びようとする事で見慣れた小松菜の形になります。
また、小松菜は日当たりを必要と書かれている記事を見かけますが、日当たりが良すぎる場所で栽培すると、食味が悪くなってしまいます。
理想は5㎝の株間で葉が密集して、各株に日光が当たりづらいプランターを、半日くらい日光に当たるくらいの場所がベストです。
収穫
縦に25㎝くらいの丈になれば収穫の目安になります。お料理に必要な分だけ、随時、収穫しましょう。一気にプランター内の小松菜を収穫しても良いですが、葉菜類は日持ちしないので、必要な分だけ収穫して食べた方が美味しく小松菜を味わえます。
もちろん、25㎝に満たない小松菜も収穫できます。小さい小松菜は柔らかくてサラダにも使えるくらいエグ味も少ないです。
しかし、35㎝を超えるくらい大きくなると葉は硬くなりエグ味が出てくるので、獲り遅れないようにしましょう。
また、日当たりが良すぎる場所で栽培していると、収穫目安の25㎝に満たないのにトウが立ってしまいます。
トウが立ってしまうと、花を咲かす為にトウに栄養が持っていかれるので、小松菜の味が損なわれてしまいます。
注意点
小松菜はアブラナ科の野菜なので、アブラムシがどこからともなく発生します。アブラムシの繁殖スピードはとてつもなく、あっという間に葉の裏側に数え切れない数のアブラムシが発生します。発生した場合は農薬で駆除するしかないので、事前に防除しましょう。
防除するには、芽が出る前から防虫ネットを被せるしかありません。
また、青虫がついた場合は手作業で取り除くしかありません。青虫は蝶や蛾の幼虫ですが、『腹ぺこ青虫』というだけあって、食欲旺盛です。あっという間に葉を食べられてしまうので、葉に不自然な穴を見つけたら、葉の裏側にいるので取り除いてください。
コスパ
プランターで小松菜をうまく栽培できたとしたら、1.5kgくらい収穫できます。スーパーで売っている小松菜は250gで100円〜150円くらいなので、600円〜900円分くらいは収穫して食べられるはずです。
かかる経費は、プランター代、土代、種代を合わせても1500円くらいなので、割りに合わないかもしれません。
しかし、種は1つ購入すれば少なくとも3回分は栽培できますし、小松菜は連作障害に強いので大体3回続けて栽培できます。
3回栽培したら、1500円の経費で1800円〜2700円分くらい食べれると思えばコスパは良いと思います。
ただ、小松菜を育てるのに手間はかかるので、手間も楽しみだと思えないのであればコスパは悪いかもしれません。
ベランダ菜園で野菜を育てるということは手間を楽しむということなので、コスパだけを考えるのは、いかがなものかとなりますが・・・
【まとめ】簡単という言葉には人それぞれの解釈がある
確かに種を播いてから30日で収穫できるということは、簡単という解釈もありますが、逆に30日で収穫できるということは、1度もミスできない難しさもあるということです。
しかし、この記事を熟読して頂いた方は、失敗するリスクが大幅に減ったはずです。なぜなら、1年に2回〜3回小松菜を商品として出荷している農家の知識を得たからです。
つまり、プランター栽培が簡単と言われている小松菜でさえ、それなりの手間がかかるということです。
手間をかける事が、ベランダ菜園の醍醐味でもある為、小松菜栽培を経て、手間をかける楽しみを感じて頂ければ幸いです。
また、小松菜のプランター栽培について不明な点があれば、気軽にコメントしてください。
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